「父の日記」を讀んで。

父の日記*1 http://blog.goo.ne.jp/m-cedar

昭和16年暮れの日米英開戰からはじまる日記の寫し。
南方戰線に從亊してゐたm-cedarさんのお父樣が記してをられたものである。
平成16年の同じ日付けから寫し始められてをり、たいへんなまなましく、身近かな亊件として戰爭とは何なのかを識ることができる。
戰爭状態は異常なことだが、前線の勞働者はごくあたりまへの人間なのだ。さういふひとたちが、紛爭の解決のためにひとを殺しにゆかねばならない*2といふのは、どういふことなのか。

*1:或正字・正假名遣ひの日常」経由で識つた。

*2: 兵隊が派遣された先において、「反對勢力(おほくの場合、その地を統括する國家權力)が武力による抵抗をしなければ殺人行爲は行なはれないのだから、抵抗せずに要求を呑め」と、いふのが派兵する側の國家權力の論理なのだらう。しかし、要求を突きつけられる側にも守るべき體制の論理があるのは當然なのだ。政治的な紛爭において、兵隊を派遣してはならない理由は、かならずそこで殺人行爲がおこるからだ。殺し合はなければならないのは、ごく平凡な現場勞働者だからなのだ。