街路樹のこと。
ハナミズキが滿開。ひとむかし前に讀んだ「成城だより*1」だつたかいふ本にも書かれてゐたが、近處にはこの木を植ゑた街路がおほい。
その本で書かれてゐた趣旨は「庭木にも流行り廃りがある」といふものであつたと記憶するが、だとすれば、この木はうまいこと生き殘れた部類なのだらう。さもなくば、景気が惡くなつたので、植木を替へてゐる場合ではなくなつたのか?
さて、そのミズキであるが、櫻やツヽジと違つて滿開でも樹形の全體を被つたりはしない。ポツポツとついた白い花は遠くからながめると、高尾山からみた八王子の夜景*2に似てゐるとおもふ。地上から數百㍍離れただけなのに、夜の山頂はさびしい。さういつたヒヤリとした感じがこの花にはある。