メルツ考。

キーワード"Merzbau"は最初誤つて「別の"Merzbow"」として登録した。「メルツバウ」として登録し直したのは、文章量があまりに違ひ過ぎたのと、日本では一般に「メルツバウ」とカタカナ表記をする*1ことが多いためだ。
キーワード運用経過を觀察してみると「メルツバウ」でも相當數が「ノイズの"Merzbow"」を指示するものであることがわかつた。
"Merzbow"の語源が"Merzbau"にあるにしても、直截に"Merzbow"を解説してゐない「メルツバウ(※内容は現在の"Merzbau"と同じ)」ではフォローが足りなかつた。そのため、舊來の「メルツバウ」の解説を"Merzbau"に移し*2、新たに「メルツバウ」内で"Merzbow"と"Merzbau"へのリンクを設け、こゝで"Merzbow"の解説にはなかつた"Merzbau"との關聯を記載することでその親近性を示唆し、單なる誘導キーワード以上の存在意義を有するやうに仕立てた。
問題はカテゴリだけだつた。キーワードの設定において「ノイズ(noise)」といふパフォーマンスを「音樂」のジャンルのひとつと捉へる必要があるのか、といふ點に疑問が殘つた。私はこれを藝術(アート)と捉へてもかまはないと考へてゐた。しかし、現状では"Merzbow"と「ノイズ」の雙方ともに、はてなのキーワードでは[音樂]カテゴリに區分されてをり、その兼ねあひから、綜合としてのメルツバウを[アート]で括るわけにはいかないかもしれないと考へた。それで、とりあへずは[一般]カテゴリとしておき、意見を募つたわけだ。


キーワード「メルツバウ」において"Merzbow"と"Merzbau"を完全に分割することは視野になかつた。「メルツ(Merz)」の概念を援用すれば"Merzbow"もまた「メルツ」に包括されるものだといへる(※參照→「Merzbau」の解説)。從つてこれらはそれぞれの違ふキーワードへのリンクを提供しつゝも同じキーワードのなかに存在する形式の方が「メルツ的綜合世界」をよりよく解説し得るだらうはずだ。
「分割案」は、誘導先キーワードのカテゴリとの一致を絶對視する場合、それを滿たす良案ではあるが、この件ではその有効性よりも損失される意義の方が大きい*3
よつて、折角の措置をいたゞいたものではあるが、この「分割」状態は解除させていたゞきたい。コンピュータを使へる状況が調ひ次第、これを實行する。「統合」には一方の「削除」が伴ふので氣が重い。

*1:私も普段カタカナで表記してゐる。そのために綴りの間違へに氣づかなかつたのだ。

*2:綴りが違ふのがわかつたので、正式の表記で辭書的な機能をさせ、一般的な表記は言及を拾つて、本キーワードに誘導させるのがよい方法とおもはれた。

*3:URLが違ふといふことは、常に竝置された状態が現出されるわけではないことを意味する。相互參照の便が損はれる點にも留意のこと。