驟雨。

空のダムの底が拔けたやうな凄まじい雨で視界が眞白になつた。西からの突風は爆風のやうに吹き拔けて行き、コンクリート造の建造物以外は一瞬の間すべて一方向へと撓んでしまつた。まるで新型爆彈の實驗*1を記録した映像をみてゐるやうだつた。梅雨の末期に豪雨があるのは珍しいことではないのだが、これは度を超してゐるやうに感じた。わづか數分の出來事で、離れて行く雲塊を眺めてみると本當に巨大なものだつた。聞く處によると、この雲は後で北關東邊に移動して、そこでもやはり随分と荒れたらしい。