日記。

雨は上がつて、冷涼な秋の空氣と入れ替つた。つい數日前に夏の終りの挨拶を交したばかりなのに、ちよつとした上着がないと寒いくらゐだ。冷えたせゐか、腱鞘炎の具合は稍々惡化してゐる。「きしんちゃん*1」ではないが、動かし方によつて、痛みがピキッと走る。濕布で對處する。

*1:緒方季晋(おがたとしくに)のこと。くらもちふさこ作の漫畫「いつもポケットにショパン」の登場人物。將來を囑望されてゐるピアノ專攻の學生で、コンクールを目前にして持病の腱鞘炎に苦しまされる。名を音讀して"キシン"となる。國際舞臺で活躍するピアニストの娘である須江麻子の幼馴染みで、且つ彼女をライバル視してゐる。かの神童として名高い"キーシン"の登場以前にこんなネーミングをするなんて、なんといふ偶然だらう。