地圖。

移動の手段が歩行を主體とする者として地圖は必需品だ。ながらく「東京都區分地圖帳」の携行判(A5判)を愛用してゐたのだけれど、かうした册子は過酷な使用環境によつて直ぐに傷んでしまつたり、都市整備などに伴ふ現場状況の變化から情報の更新の必要もあり、割合ひ頻繁に買ひ替へをしなければならないものだ。
困つたことに實は版が新しくなるほどに使ひ勝手が惡くなつてゐるみたい(※私にとつては)なのだ。舊い版では、航空寫眞から道路をトレースして起こし(※かなり細かい路地まで省略せずに載録されてゐた)町名番地の區畫が極くアッサリと示されてゐただけで、とても讀みやすいものだつた。それが段々と文字が大きくなつたり文字色が付いたり、交叉點名だの信號機だのCVSだの... 情報が増え過ぎてゴチャゴチャになつてしまつた上、肝腎の道路が略記されたりデフォルメされたりで往生すること屡々となり弱つてゐた。仕方なく、國土地理院發行の1/10000圖輻の併用で對處してゐた。
…で、説明(愚痴?)が長引いてしまつたが、書店で今日みつけた「リンクルミリオン」は現状では滿足し得る内容とおもはれた。縮尺が1/15000で統一されてゐるので圖端から他圖への接續もスムースだ。何より色味がケバケバしくないのが有難い。綴ぢ目が糊付けではなく針金のリングなのも特徴で、耐久性が期待出來さう。

ポケット東京23区