橙一色の素氣ないラベルは微妙な感じもしたけれど、馴れてみればこれもなかなか。いにしへのLPレコードを彷彿とさせるバランスの良い樂曲の竝びは聽き易く、ヘビーローテーションでも負擔は感じない。おもふに、その通りの喩ばLP盤としてA面/B面それぞれ5曲づつに割り振つてみても收まりは好いだらう。さうしてみれば、兩面ともに攫みの一曲目を除けば、樂天的でとにかく元氣の良さを強調したA面と、内省的な可憐さをみせるB面とで綺麗な對比となつている。「モーニング」時代*1では、各アルバムともアイディアの盛り込み過ぎが祟つてトータルアルバムとしての完成度を滿足できる盤が「セカンド」以外にはなかつたから、今度の「1st GOODSAL」はたいへんに貴重なものとなつた。次作にも期待するが、リリースを急ぐ必要はない。特に紺野さんには學問を愉しむ時間を充分に持つてほしいし... *2
1st GOODSAL(初回生産限定盤)

*1:完全に乘り替へたみたいな云ひ草だが、自分も一度「卒業」しちやつたわけだし、なんか立場的には曖昧なんだよな。

*2:仕事の忙しさにかまけて大學の授業になかなか出席できなかつたといふ自分の殘念な經驗に被せてしまつているわけだが。