つめたい雨が俺を洗ふ♪

高校生だつたとき、目鄢の鹿鳴館だつたかに、「THE MODS」といふワリとメジャーなビート系バンドの映畫をみにいつたコトがある。招待状をもつてゐなかつたので、本來は恋人を入り口まで送りに行つたといふダヶだつたのだが。モギリのお姉さんが氣をきかせて、なかに入れてくれたのだ。映畫の内容はあまり覺えてゐない。といふか、途中で映寫幕が上がつてしまつたな。と、おもつたら、當のバンドが出て來て、演奏を始めてしまつたのだ。*1
シークレット・ギグといふものをみたのは、それが初めてだつた。クラシック(ストレイト・ミュージック)やハード・ロックばかり聽いてきた耳には、ビート・ロックは單調で退屈なものにおもへてゐたのだが、かういふ性急で直裁な「熱さ」といふのも、いがいにこゝろに迫つて來るものなのだといふコトを認識させられた。たぶん、そんなコトがあつたりして、ニュー・ウェイヴに對して寛容になつたのだつたとおもふ。
その當時、恋人に對してももつと直截な正直さで氣持ちを傅ふるやうに努力するべきだつたとおもふ。性急さダヶは、充分に持ちあはせてゐたのだが。。。

*1:本來の歌詞は、「激しい雨が俺を… 激しいBEATが… oi!… oi!」みたいな感じだつたとおもふ。いはゆる「傳説の野音」の後で、バンドとしても非常によい時期であつたらしい。