この冬の(まう春だが...)日本酒のベストを發表する。

■燗酒部門
八咫烏(やたがらす)山廢 / 北岡本店-奈良縣吉野町上市
  燋がした木の實のやうな甘みと香味。
  がつしりとした幅のある味はひながらスッとしたキレがある。
  燗をつけるとまるでケーキのやうな香りがたつ。
  (※但し、甘口ではありません。)


■常温部門
・越の寒梅 無垢 / 石本酒造-新瀉縣新瀉市北山
  枯山水のやうなストイックな味はひ。
  梅の香りがほのかに漾ひ、春の陽射しを待ちわびる氣分。
  靜かな雪の日に暖をとりながら薄手の杯で呑むべき酒。


※冷酒部門はありません。ふだんは常温でしか呑まないからです。
*1

*1:千圓前後といふ價格については、吟釀などコストの高いつくりのものを除外した大まかなもの。
流通の段階で不當なプレミア價格が設定されてゐる酒があることで、正當なパフォーマンスを評價することが困難になつてゐるのでこんなコトを書くのだ。たかゞ飮み物、あまり大枚を叩いて買つてはいけません。
「越の寒梅」は、よくみかける"別撰"の720ml壜詰で、藏元の希望小賣り價格が1160圓(税拔)といふのは憶えておいたはうが好い。"無垢"は純米造でまう若干高い。
北岡本店は藏元で通信販賣もしてゐるので問題はないだらう。
便宜上「定價」と書いたが、實際には自由價格なので、納得がゆくならいくらで買つてもよいわけだけれど。