日記。

昨日からスタヂオ演習が始まつた。今まで入つたことのないスタヂオの筈だつたのだが、妙に既視感があることから、ひよつとすると初めてではなかつたのかもしれない。ロケーションからすると「それもあり得るかな」といつたところ。まあ、どつちでも好いけど。
偖て、スタヂオ内に設置されてゐるkitに組み込まれてゐたのはAジルの"ping ride"だつた。これは高次倍音を豐に鳴らすことで"ping"音の強調を圖る設計のやうで、慥かに打撃音はピシピシと明瞭に聽取れるのだけれど、サステイン要素にまで高音域が多く被つてゐるやうなので奏音全體から來る印象は稍々ヒステリックな響きのやうにも感じる。あまり強打しないやうにと注意する。このシンバルを演奏するのは初めてなので感想としてメモしておく。
kit自體は「ジニサルリゾネータ」だつた。何故スタヂオ規模の小さな部屋にこんな爆音kitを設置してあるのかは謎だが、まあ以前だいぶ流行してゐたkitだから偶々その頃に樂器の入れ替へをしたのだらうと勝手に合點する。實はこのシリーズの小太鼓を一臺所有してゐるのだけれど、最近では全く使つてゐない。桶胴に使用してゐる楓材のプライ數がやたらと多くて分厚い爲に結構重量があり、現場に持つて行くのが"かったるい*1"からだつたりする。
スタヂオのあとで"一休(居酒屋)"で呑む。"一休"といへば、この店をやたらと推してゐたカンガワさんといふ音樂家のことを想ふ。偶に現場で會ふだけの關係でしかなかつたが、非常に強い印象を持つてゐる。忘れられないひと。

*1:かったるい : 氣怠いの意の俗語。 …關係ないけど、"俗語"てのはこの言葉くらゐの浸透度が一般には必要とされるものゝやうだよ。隱語や通語が即"俗語"となるわけではないので、そこのところは認識を改めて戴きたいものだな。