感想文。

6月に出版された「吉田観覧車」を讀んだ。「…自転車」の頃に比して、文章に説明過多の氣があるとおもふ。かうしておけば、讀者の「誤讀(※ちよつとしたトゲに刺さつて中毒する)」は減るのかもしれないが、自由に讀み解ける範圍は狹まつたと感じる。これにより、彼の作品に特有の「可笑しみ」の感覺が薄まつてしまつた觀は否めない。讀後感は「惜しい」といつたところ。*1 *2
吉田観覧車

*1:説明過多 : 直截に反響が來てしまふ網路からの影響(※現代作家の宿命なのだが)なのだらうかと懸念する。私の好みからいへば、何もかもを間違ひのないやうに先囘りして平易に解説されてしまふよりも、ドッヂボールのやうにキリモミしながら飛んで來る活きの良いことばのはうが「最初に放たれることば(※書物)」としては相應しいと感じる。

*2:追伸 : このやうに網路にて感想(※直截の反響)を述べてしまつてスミマセン。