TRACK7

グラヴティ。惑星の引力圏に落ち、衛星としての軌道を囘り始めようとするひとつの天體。その圏内までの距離は僅かにあと1mmを殘すばかり。もうほんの少し身を寄せるだけでもそこに到達してしまふだらう。たぶん歌詞においての落とし處はこの邊りにあるのだらうとおもふ。ベースとなる4分打ちのリズムから急き込んだやうに「♪近付いちやうから…」に至る邊りなどは本當に可愛いらしい描寫となつている。パンチの効いた直球系の澤田君と、圓かで柔和な仙石君の歌聲に、紺野さんのメタリックな調子がスパイスを効かせ、石川さんがボトムを確りと支へているといふコーラス配備*1。シングルカット曲のやうな威勢の良さだけで押し切るわけではないといふグループの別の一面をみせるアルバム後半では最も印象深い樂曲。

*1:ところで單に編成の類似から來るものなのかもしれないけれど、こゝでの4聲の重ねかたにはちよつとSPEEDを想はせるところがあるやうな氣がする。