日記。

竹芝棧橋から出て東京灣內を一周する"納涼船"なるものに乘つた。要は、定期航路に就いてゐない空きのフェリーをビアガーデンに仕立てたものゝやうだ。この時季に"納涼"といふのもどうかなといふ感じはする。やつと"夏休み"が取れたのだけれど、世間では今週は"彼岸"だつたりして、吹き付ける潮風はすでに秋の涼しさだ。「暑さ寒さも彼岸まで」といふことで、まう夏の陽氣に戻ることはなくこれからは冬に向つて粛々と季節は靜かに進んで行くだらう。"納涼船"の運航は明後日の日曜日まで。甲板に鈴なりの同乘の船客の多くが浮かれモード全開で、すれ違ふ屋形船の醉客たちとエールを交換しながら大きく手を振り合つたりするのが可笑しい。飲み放題のビールは元を取れるくらゐ存分に飲んだ。